第133回天然記念物指定甲斐犬愛護会展覧会

にほんブログ村
4月3日(日)、震災から3週間後の日曜日、第133回天然記念物指定甲斐犬愛護会展覧会が開催されました。
前々回のブログに書いた通り、今回は福一頭を連れて電車で参加しました。
2年前にぎっくり腰をやってから、重労働する時には腰椎コルセットをつけているのですが、昨年末から激やせして体型が変わったために、持っていたコルセットが合わなくなってしまい新調しなくてはなりませんでした。
震災後、茨城宛の物流が医療品に至るまでしばし途絶えていたので、展覧会前に新しいコルセットが届かない恐れもあり心配していたのですが、ぎりぎり間に合って届きました。
福が入ったキャリーを持って行くのに、電車が混んでいる時間帯だと迷惑になるので、前日土曜日の始発で出かけました。
節電でエスカレーターが動いていない駅が多いため、乗換(ホーム間の移動)をできるだけ少なくしたかったので、TX最寄駅→TX新御徒町→大江戸線新宿駅→京王線高尾駅→中央本線石和温泉駅(泊めていただく予定の犬の先生のお宅の最寄駅)という経路で行くことにしました。
福は、キャリーに押し込む際に少々抵抗しましたが、その後は時々もぞもぞと身体の向きをかえていた他は鼻声ひとつ出さず静かにしていました。
TXと東京メトロはホーム間のエレベーターが動いていたので、乗換もスムースに行えました。
電車の運行本数が減っている関係で、高尾駅で中央本線に乗り換える前までに4時間以上かかってしまったため、高尾駅でいったん外に出て休憩することにしました。
JR高尾駅はエレベーターがなく(京王線高尾駅にはエレベーターがあります)、北口改札から出るのに長~い階段を昇降しなくてはならず、覚悟を決めて福をかついで昇り降りしましたが、これは想相当きつかったです

まあ、犬を運ぶのはきつくても頑張ればいいと思いますが、車椅子の方とかはどうされているのかと心配しちゃいましたよ。
高尾駅でキャリーから出て来た福は、お散歩している他のわんこに御挨拶したり、通りすがりの方に『可愛い~』と撫でていただいたりしながら駅の近くを散歩しました。
再び福をキャリーに押し込み、中央本線で目的地石和温泉駅へ。
JRでは、ペットを入れたキャリーを持ち込む場合、手まわり荷物として270円の運賃を支払います。
以前は、針金がついた荷札みたいなのだったと思うのですが、今回はただのレシートみたいな紙でした。
中央本線の車窓から南アルプスと富士山がみえました。
11時少し前に石和温泉駅に無事到着しました。
つくばでは、ペットボトルの水は売っていなかったり、売っていても『おひとりさま1本まで』とかなのですが、石和温泉駅のホームでは自販機でペットボトルの水が売っていてびっくりしました。
日本全国どこでもペットボトルの水は買えないものと思って、福の飲み水は井戸水をもらい水して持参していたのですが・・・。
石和温泉駅の駅前には無料の足湯コーナーがありました。
福を連れていなければ入ってみたかったのにと少々残念でした。
先生は駅まで車で迎えにきてくださるとおっしゃっていたのですが、泊めていただく上にそこまでしていただいては申し訳ないので、石和温泉駅から先生のお宅まで、約4km弱、福と一緒に散歩がてら歩いていくことにしました。
陽射しが強く、ちょっと暑くて、途中日陰で何回か小休憩して福に水をのませながら甲府の街を歩いていきました。
原発事故の影響で、雨の日は犬達を全く外へ出さず散歩も省略していましたし、晴れの日も最低限の短時間散歩しかしていなかったので、久々に福と長い時間お散歩できて楽しかったです。
先生のお宅で、福をケージに移し御飯を与えました。
私も奥様お手製の豪華なお昼御飯を御馳走になりました。
蕗味噌や春菊の胡麻和えなど、今の茨城では食べられなくなってしまったものもあり大変ありがたく美味しく頂きました。
他のお弟子さん方も次々に集まり、いつもだったら100%犬の話しかしないのですが、今回は、犬の話が7割、震災と原発事故の話が三割くらいでした。
夕方、福と散歩に出たら、桜の花が咲いていました。
三分咲きくらいでしょうか。
写真に撮ろうと思って、デジカメを持ってくるのを忘れたことに気づきました。
ありゃりゃ・・・もう薄暗くなっており、ケータイのカメラでは無理で、せっかく綺麗に咲いていたのに残念でした。
他のお弟子さん二人と一緒に、またまた豪華な夕ご飯を御馳走になり、展覧会に備えて早めに床につきました。
先生の奥様にはお布団の準備までしていただき、本当にありがとうございました。
翌朝、5時少し前に起床。
福を軽く朝散歩させてから再びキャリーに押し込み、タクシーで甲府駅まで行きました。
甲府駅前の信玄像の両隣の桜がきれいに咲いていました。
こちらは七分咲きくらいだったでしょうか。
タクシーの運転手さんも『あれ、けっこう咲いてるね』とちょっと驚いていました。
甲府駅もエレベーターがなく、エスカレーターも早朝は動いていなかったため、長~い階段を福をかついで昇りました。
乗る予定の韮崎行きの電車が入線したので、白線の内側でドアがあくのをずっと待っていたのですが、いくら待ってもドアが開かないまま『まもなく発車します』のアナウンスが。
え~!?と駅員さんの顔を見たら、駅員さんが『ドアは手であけてください』とのこと。
そんなの初めてだったので、もう少しで乗り遅れてしまうところでしたよ。
あとでくまのぱぱさんに聞いたら、寒いところを走る列車はそうなんですって。
危なかった・・・でも勉強になりました(笑)
無事、韮崎駅に到着し、駅から展覧会場まで福と一緒に歩いていきました。
昨日とはうってかわって韮崎は真冬並に寒かったです

展覧会場にはすでに沢山の車が集まっていました。
彩の国井上荘のIさんに御挨拶して、Iさんの車の後ろに福を置かせていただけるようお願いしたところ、御快諾くださっただけではなく、福をつなげるようにポールまで貸してくださいました。
本当に助かりました、お世話になりました。
福の父犬の作出犬舎・斉藤犬舎のSさんと舟戸神山荘のKさんに御挨拶できました。
Kさんは福と同じ壮犬牝の部に出陳されるそうでした。
開会式で、被災されて亡くなった方々のために黙祷を捧げました。
出陳頭数は109頭とのことでした。
福がいただいた出陳番号は77番、ラッキーな番号をいただいて少し気持ちが前向きになれました。
午前の個体審査が始まりました。
審査員はK玉先生です。
予備リングに入った福は、落ち着かない様子で耳を引き尾を下げていました。
座って福を抱き寄せ、大丈夫だからと言い聞かせました。
福は、本リングに入ってからもまだ落ち着かない様子だったので、予備リングに入った次番の犬に合わせて気合を入れさせようとしましたが、次番は前回未成犬一席の子で、ハンドラーも日保で紀州を引いていらっしゃるベテランの方だったので気づかれて避けられてしまいました

それでも福は、力強くは差さないものの尾を下げることもなく、無難に立っていました。
歯もちゃんと見せられましたが、歩様はちょっとしょぼくれた感じになってしまっていました(笑)
審査員のK玉先生はここが良いとも悪いともおっしゃらず、先生の表情からも好印象だったのかダメだったのか読み取れませんでした。
こんな調子で個体審査は終了。
お昼少し前に、くまのぱぱさんがいらっしゃいました。
お昼御飯は、Iさんが振る舞って下さった美味しい豚汁に、これまたIさんが振る舞って下さった豪華なマグロのお刺身(くまのぱぱさんが、こんなに大きな切身は生まれて初めて食べた、と言っていました。私も右に同じですww)を美味しくいただきました。
昼食時の話題も震災のことと原発事故のことでもちきりでした。
Iさんのお住まいの近所に避難所が設けられているとのことで、Iさんは避難所の乳児をもつお母さん方のためにペットボトルの水をケースで差し入れされたそうです。
その他に、避難所の子供たちを順番に(いっぺんに全員は無理なので)御自宅に招待して御馳走したいとおっしゃっていました。
優良犬を沢山輩出されている名門犬舎さまは、やっぱり人間性も素晴らしいのだと感動しました。
Iさんのおかげで、心も身体もあたたまって午後の総合審査を迎えました。
Iさんが出陳した未成犬牝は三席、作出して分譲された未成犬牝も六席に入賞でした、おめでとうございました

未成犬牝、未成犬牡と順調に審査が進み、いよいよ壮犬牝の部で福の番です。
コールにしたがってリングに入りました。
未成犬の時には第一グループでピックアップされた福でしたが、今回は第一グループを並べ終えるまで呼ばれませんでした。
同じく未成犬で一席だった子も呼ばれず、ちょっと予想外の展開でしたが、なんとか第二グループの終わりの方で中央に呼んでもらえました。
そして暫定7番目に並べられました。
その後、並べ替えられることもなく決審し、福は入賞圏外、推奨犬賞をいただきました。
悔しくないといえば嘘になりますが、未成犬一席の実績に恥じないプレゼンテーションができなかったので仕方ないと思いました。
ベストプレゼンテーションができなかった原因は、細かいことをいえばキリがないですが、大きな要因は『型』通りにできなかったということに尽きると思いました。
私の正業ではよく『型の如く~した』とか『型通りに~した』いう表現を使いますが、他の仕事でも仕事以外でも、どんな作業にも『型』があり、『型』がうまくできていれば作業は効率よくミス少なくできるものだと思います。
私の展覧会に向けた『型』とは、『散歩』『徹底的に場馴らし』『リング以外は車内でめくら箱』でした。
どんな犬も上記の方法でうまく仕上げられるとは限りませんが、私とうちの犬達にとってはその型が合っていたようで、甲斐も月も烈も玄ちゃんも福も型を守ることで上手く仕上げて入賞をいただけていました。
しかし、今回は震災後の原発事故のために『散歩』はほとんどできず、ガソリン不足と日保の東北・関東圏での展覧会自粛(中止)のために『場馴らし』もできませんでした。
小さなキャリーにつめて電車での参加だったため、めくら箱は作れず、展覧会場に着いてからの福は出陳以外の時間も外に出たまま気を散らしていました。
自分で作り上げた『型』の重要性を改めて認識できたことは大きな収穫でしたが、応援してくださった皆様と、父犬の作出犬舎のSさんの御期待にそう成績を残せず本当に申し訳ありませんでした。
帰りはくまのぱぱさんと一緒に韮崎駅へ向かいました。
国分寺駅までぱぱさんと御一緒し、駅の階段では荷物を持って頂いたりしてとても助かりましたし、ぱぱさんとおしゃべりすることで入賞圏外だった痛手(?)を一人で抱え込むことなく時間を過ごすことができて救われました。
ぱぱさん、ありがとうございました

被災されて、あるいは被災された方々へのお見舞の気持ちで自粛されて今回不参加だった方々とも、秋には御一緒できますように、そして被災地の一日も早い復興と福島第一原発の一刻も早い鎮静化を祈りつつ・・・今回の教訓を糧に秋に向けて頑張っていこうと思います。
被災された方々へ心よりお見舞申し上げます。
被災されて亡くなった方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村
忠郷